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『ポエトリー・ビシソワーズ・ハルイチ風』


真っ赤な可愛いひとりがけのソファーがステージの中央に。
そして黒表紙のA4位のあまり分厚くはないけれど、しっかりとした装丁の本を持ったハルイチさんが登場。
そしてその赤いソファーに座り、本を広げて朗読を始めるハルイチさん。

物語は羽根を切られた天使の死体が発見されたことから始まります…

登 場 人 物
・第1女性容疑者
「私はここを動きませんよ。刑事さんにわざわざ目を低くして合わせてもらっても…
でも私は天使を殺してはいません。」
・第2男性容疑者
「あの日僕は彼女に"星を見よう"と誘った所、彼女は草むらに連れてかれて押し倒されるか、
 デート代をケチられたとでも思ったのでしょうか。
 彼女は"そんなとこより、新宿の高層ビルにあるバーに行きたい"と言い出して。
 ここより星に近いからと思って、行ってみたんですが、刑事さん知ってましたか?
 今や星は空には無く、地上にあったんですね…」
「本来なら僕が誘うはずなのに、先に彼女に誘われ、惜しげも無く裸を見せ、
 卑猥な言葉を浴びせかけられ…あの日のアリバイなら彼女に聞いてください。」
「でも本当は彼女はいい娘なんですよ。最後には甘えて自分の名前を呼んでと言うのです。
 今や名前しか自分を区別するものがない。
 僕は彼女の耳にひとことずつゆっくりと彼女の名前を流し込んでやるんです。」
・第3女性容疑者
「あの天使さんとは、私知り合いでしたよ。私が殺すなんて…
 最後にお会いした時、外でたくさんお酒を召し上がられたんでしょうか。
ひどく上機嫌で。何やら天使のお商売を辞められるそうで…
明日から職がないというのに本当にご機嫌で。
きっと"天使"というお仕事に余程ご苦労されていたんでしょうね。」
・ニュースキャスター
「その天使には翼が無く、その天使が殺された時刻は
 人類が手を使うようになった後だと推定されます。」
「翼がない以上、天使と認める訳にはいかないという結論に達しました。」

物語のしめくくり…
人は何故進化したか…自分で選択して進化したんです。
"そろそろ海も飽きたから陸へ上がってみるか…"とか、
"肉って焼くと旨いなぁ…"とか
"背中に羽根なんてあると邪魔だなぁ"とか…。

ハルイチさんが考えたお話なんだろうけれど、ストーリーについては何も説明なし。
作られた経緯もタイトルも言わない。ただ朗読をしたのみ。
なんか不思議なお話だったんですが、それだけに、とても惹きつけられるお話でした。
大人の童話。また聞きたい。



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